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【韓国】2026年下半期、労働関係法は何が変わるのか

  • ニュースレター
  • 2026.07.31

韓国の雇用労働部は、2026年6月30日、下半期から施行される労働関係法上の主要な制度変更事項を発表しました。

 

主な内容としては、1日の労働時間が4時間である労働者に対する休憩時間の選択権の拡大、配偶者休暇および短期育児休業等の仕事と家庭の両立支援制度の拡充、リスクアセスメントに関する事業主責任の強化、災害調査報告書の公開、名誉産業安全監督官について推薦があった場合の委嘱義務化等、産業安全分野における変更が含まれています。

 

施行時期は2026年6月から12月にかけて順次到来するため、企業としては、各制度の施行日を確認し、就業規則、休暇・休業等の社内規程、安全管理体制等をあらかじめ点検しておく必要があります。

 


1. 4時間勤務時における休憩時間の選択権の拡大

2. 仕事と家庭の両立支援制度の拡充

3. 産業安全関連制度の変更

4. 示唆:企業が確認すべき実務上の対応策


 

1. 4時間勤務時における休憩時間の選択権の拡大 (施行日: 2026年 12月 10日)

 

現行の勤労基準法は、1日の労働時間が4時間である場合、使用者に対し、労働者に30分以上の休憩時間を労働時間の途中に付与することを義務付けています。そのため、半日休暇等により1日の労働時間が4時間となる労働者が、4時間勤務後に休憩時間を取らずにそのまま退勤することを希望しても、当該事業場に30分間とどまらなければならないという不便がありました。

 

今回の改正により、1日の労働時間が4時間である労働者が、使用者に対して明示的に休憩免除を申請した場合、使用者は休憩時間を付与しないことも可能になり、労働者はそのまま退勤できるようになります。

 

 

今回の改正は、短時間労働者に限らず、半日休暇の使用等により特定日の労働時間が4時間となる労働者にも適用されるため、労働時間の運用が柔軟化されるという実務上の意義があります。

 

 

2. 仕事と家庭の両立支援制度の拡充

 

雇用労働部は、妊娠から出産、育児に至るまで、男女がともにケアに参加する文化を醸成する趣旨から、育児休業および配偶者の休暇・休業等の制度を拡充しました。主な内容は以下のとおりです。

 

① 短期育児休業の新設(施行日:2026年8月20日)

 

従来は、育児休業を少なくとも30日以上取得しなければ育児休業給付の支給対象とならなかったため、子どもの学校などの休みや疾病等により緊急のケアが必要な場合に、育児休業を柔軟に活用しにくい面がありました。

 

今回の改正により、子どもの学校や保育施設の長期休暇、休園・休校、疾病等の短期間のケアを要する事由が発生した場合、年1回に限り、1週間(7日)または2週間(14日)単位で短期育児休業を取得できるようになります。

 

② 配偶者の休暇・休業制度の拡充(施行日:2026年9月18日)

 

妊産婦および胎児に対する男性のケア環境を強化するため、以下のとおり、配偶者の休暇・休業制度が新設・改編されます。

 

配偶者流産・死産休暇の新設:配偶者が流産・死産した場合、5日の範囲内で休暇を付与しなければならず、最初の3日は有給として取り扱われます。優先支援対象企業に所属する労働者については、最初の3日分の給与について雇用保険から支援を受けることができます。

 

配偶者出産前後休暇の取得時期の拡大:従来は、配偶者の出産後120日以内に限り取得可能でしたが、改正後は、配偶者の出産予定日の50日前から取得できるよう拡大されます。併せて、制度の名称も「配偶者出産休暇」から「配偶者出産前後休暇」に変更されます。

 

 •男性の育児休業取得要件の緩和:改正前は、男性については子の出生後に取得できるものとされていましたが、改正後は、配偶者が妊娠中に流産・早産等のリスクを抱えている場合、子の出生前であっても育児休業を取得できるようになります。

 

 

3. 産業安全関連制度の変更

 

2026年2月19日に公布された改正産業安全保健法は、リスクアセスメントに関する制裁規定および労働者参加の保障、産業災害調査報告書の公開、名誉産業安全監督官の労働部監督への参加等を定めています。

 

リスクアセスメントに関する事業主責任の強化(施行日:2026年6月1日)

 

リスクアセスメント制度の実効性を確保するため、事業主の責任が強化され、労働者の参加権および知る権利が拡大されました。

 

労働者の参加権および知る権利の保障強化:事業主は、リスクアセスメントの実施に際し、労働者代表から参加の要求があった場合には、必ず参加させなければならず、リスクアセスメントの結果等を研修や書面等を通じて労働者に周知しなければなりません。

 

義務違反時の過料賦課:リスクアセスメントの実施義務、労働者参加義務、労働者代表の参加保障義務、結果等の共有義務、記録・保存義務に違反した場合、300万ウォンから1,000万ウォンの過料が課されます。

 

災害調査報告書の公開(施行日:2026年6月1日)

 

産業災害の予防および国民の知る権利の拡大のため、災害調査専門機関(安全保健公団)および関係専門家等が作成した災害調査報告書が、雇用労働部および安全保健公団のウェブサイトで公開されます。報告書には、災害発生の経緯、技術的原因等が含まれます。

 

これにより、産業災害が発生した事業場については、事業場名および災害発生の経緯等がおおやけに開示される 可能性があり、企業信頼性およびレピュテーションに影響を及ぼすリスクが高まっています。

 

③ 名誉産業安全監督官について推薦があった場合の委嘱義務化および対象事業場の拡大(施行日:2026年8月1日)

 

名誉産業安全監督官制度は、事業場における自主的な安全管理を促進するために設けられた制度です。従来は、産業安全保健委員会または労使協議体の構成対象事業の労働者代表のみが名誉産業安全監督官を推薦することができ、雇用労働部長官による委嘱も任意規定にとどまっていましたが、今回の改正により、以下のとおり制度が拡充されます。

 

委嘱の義務化:労働者代表が、所属事業場の労働者の中から名誉産業安全監督官を推薦する場合、雇用労働部長官は、これに基づき委嘱しなければなりません。すなわち、名誉産業安全監督官制度自体がすべての事業場で義務的に運用されるわけではありませんが、労働者代表が推薦権を行使した場合には、委嘱が義務付けられる構造です。

 

推薦対象事業場の拡大:従来は、一定規模以上の事業場(産業安全保健委員会・労使協議体の設置義務がある事業場)に限定されていましたが、対象がすべての事業場に拡大されます。

 

勤労監督への参加義務化:勤労監督官が事業場の監督を実施する場合、特別な事情がない限り、当該事業場の名誉産業安全監督官を監督に参加させなければなりません。

 

解嘱規定の新設:名誉産業安全監督官が使用者等に該当する場合、解嘱することができます。

 

 

4. 示唆:企業が確認すべき実務上の対応策

 

企業としては、以下の事項を優先的に確認する必要があります。

 

① 休憩時間免除の申請手続の整備

 

半日休暇等により4時間勤務となる場合の休憩免除申請手続を整備する必要があります。半日休暇の申請または勤怠管理手続と連動させ、労働者の休憩免除申請の意思を確認・保存できる手続をあらかじめ設けておくことが望まれます。

 

② 短期育児休業、配偶者の休暇・休業制度の改編への対応

 

既存の育児休業申請手続を短期利用に対応できるよう補完し、就業規則および休業・休暇規程が改正制度よりも狭く定められていないか確認する必要があります。特に、配偶者出産休暇の名称変更(「配偶者出産前後休暇」へ)、取得時期の拡大、流産・死産休暇の新設、妊娠中の育児休業の許容等を、内部規程および申請書式に反映する必要があります。

 

③ リスクアセスメント手続の速やかな点検

 

リスクアセスメント義務に違反した場合、最大1,000万ウォンの過料が課される可能性があります。現在のリスクアセスメント手続が適法に運用されているか、労働者代表の参加が保障されているか、評価結果が労働者に対して研修や書面等により共有されているかを、速やかに確認する必要があります。災害調査報告書の公開制度もすでに施行されているため、安全保健管理体制全般の点検も併せて行うことが望まれます。

 

④ 名誉産業安全監督官への対応

 

従来と異なり、事業場の規模にかかわらず名誉産業安全監督官が委嘱され得るようになり、今後、産業安全保健監督の過程において労働者の参加が拡大される予定です。そのため、安全保健基準の遵守状況を事前に点検し、監督対応時の資料提出、現場確認、名誉産業安全監督官の参加手続等を含む内部対応プロセスを整備しておくことが望まれます。

 

今回の改正は、企業の勤怠管理、休業・休暇運用、産業安全監督対応全般に影響を及ぼすものと考えられます。したがって、企業としては、各施行日ごとに内部規程および実務手続を点検し、必要に応じて事前に改定を行うことにより、制度施行に備える必要があります。各制度変更に伴う具体的な就業規則の改定方法、申請・承認手続の整備、安全保健体制の整備等について法的助言が必要な場合は、法務法人(有限)和友 労働グループまでお問い合わせください。

 

 

和友労働グループは、会社の設立段階から、合併、会社分割等に至るまで、企業活動の全過程で発生する人事・労務に関する助言を提供しています。特に、企業の日常的な人事制度や人員管理、懲戒処分の過程に関する法的助言はもとより、集団的労使関係において発生する団体交渉および労働協約等に関する助言、事業再編過程における会社の人員管理に関する助言等、人事・労務に関する総合的なリーガルサービスを提供し、企業運営に必要な最適な制度および対応策を提供しています。 和友労働グループには、労働事件に特化した裁判官・検察官出身の弁護士、多様な分野における専門性と経験を有する労働専門弁護士、雇用労働部出身の専門委員および公認労務士等、30名以上の専門人材が幅広く在籍しており、企業の各領域で発生する人事・労務関連訴訟にも効果的かつ迅速に対応し、高い勝訴率を誇っています。特に、企業で発生する法的課題の性質および状況に応じて、和友労働グループの主導の下、重大災害処罰法タスクフォース、労働刑事対応チーム等の専門タスクフォースチームを別途編成し、企業のニーズに即した最適なリーガルサービスをワンストップで提供しています。

 

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