YOON&YANG

【韓国】大法院、共犯者間の営業秘密伝達において「使用」とは別に「漏洩・取得」罪の成立を認める

  • ニュースレター
  • 2026.03.20

韓国大法院は近時の判決(2026年1月15日言渡、2025ド13231)において、共犯者間で営業秘密を授受した行為を単に「使用」するための手段とみなし、営業秘密の「使用」による罪のほかに別途「漏洩・取得」による罪の成立を否定した原審の判断を破棄、差し戻しました。

 

今回の大法院判決は、共犯者による営業秘密の取得、漏洩、使用をそれぞれ独立した犯罪として処罰できることを明確にしました。これにより、侵害行為の類型や段階に応じて営業秘密の侵害者をより厳重に処罰できる法理的基準を提示したという点で、実務上極めて重要な意義があります。

 


1. 事件の概要

2. 大法院の判断

3. 本判決の意義と示唆


 

1. 事件の概要

 

被告人の一人は共謀の上、流出した被害企業の営業秘密を海外で使用する目的で、韓国国内に構築されたNASサーバーにアップロードすることにより、他の被告人らに伝達しました。

 

原審は被告人らに対し、営業秘密の「使用」による不正競争防止法違反罪の共犯成立を認める一方で、共犯者間の営業秘密の伝達は単に「使用」のための手段に過ぎず、別途独立した法益侵害の危険を発生させたとは認め難いという理由で、営業秘密の「漏洩・取得」に関する別途の犯罪成立を否定した第一審の判断を維持しました。

 

 

2. 大法院の判断

 

大法院は原審の判断を破棄し、共犯者間での営業秘密の授受も、独立した「漏洩」及び「取得」罪を構成し得ると判断しました。主な論拠は以下の通りです。

 

独立した規定の存在: 不正競争防止法第18条は、営業秘密の「取得」、「使用」、「第三者への漏洩」等をそれぞれ独立した犯罪として規定している。したがって、行為者が不正な利益を得る目的で、当該営業秘密を知らない相手方に伝達したのであれば、共謀の有無や実際の共同使用の有無にかかわらず、漏洩罪と取得罪がそれぞれ成立し得る。

 

立法趣旨の考慮: 不正競争防止法の改正は、処罰対象を拡大して企業の営業秘密保護を強化する方向で進められてきた。したがって、罪数を判断する際には、このような保護強化の趣旨を十分に反映すべき。

 

「使用」との非典型的関係: 営業秘密の使用に漏洩や取得が必ずしも伴うわけではない。例えば、既に情報を知っている者は、取得行為なしに使用できる。

 

処罰の公平性: もし共犯者間での営業秘密の授受を処罰しないのであれば、「使用を共謀して情報を授受したが、使用直前に検挙された場合(使用未遂、減軽の可能性あり)」が、「使用の共謀なしに単に情報を授受した場合(漏洩・取得既遂、減軽不可)」よりも、かえって軽く処罰されるという不合理な結果が生じる。

 

 

3. 本判決の意義と示唆

 

本判決は、営業秘密の侵害行為を段階別・類型別に評価し、それに応じてより重く処罰できる基準を提示したという点で大きな意義があります。

 

強化された刑事責任:これまで実務上、共犯者間における営業秘密の使用を目的とした共有ないし伝達は、一つの「使用」行為に包含される傾向にありました。今回の大法院は、営業秘密侵害の段階(取得-漏洩-使用)をそれぞれ独立した犯罪と認め、共犯者間での営業秘密の共有ないし伝達も別途処罰できることを明確にしました。これにより、適用可能な罪責の範囲が拡大し、処罰水準が高まるものと予想されます。

 

企業の対応方向:内部人材の共謀による技術流出事故が発生した場合、共謀者間における具体的な情報伝達の経路と時点をより綿密に把握する必要があります。これにより、共謀者に対してより重い刑事責任を問うことが可能になると考えられます。

 

 

和友の営業秘密プラクティスグループは、電気・電子、機械、化学など多様な技術分野において専門性を備えた人材で構成された専門グループであり、検察の産業技術犯罪捜査部、公正取引委員会、産業通商資源部出身の弁護士をはじめとする各分野の専門家が布陣しております。営業秘密および産業技術に関連する国内外の紛争遂行、法律アドバイザリー、政府規制への対応など、全方位的なリーガルサービスを迅速かつ効果的に提供しており、独自のデジタルフォレンジックセンターとディスカバリーセンターの運営を通じて、営業秘密の流出調査や海外紛争への対応などにおいても差別化された力量を保有しております。

業務分野
#営業秘密 · 産業技術